自分の「好き」を見つけて大切に育てて

美術工芸コースでの日々は、自分の「好き」に全力で向き合えた３年間でした。先生方は教育者としてだけでなく、芸術家として私たちに向き合い、学ぶ気持ちに寄り添ってくださいました。そして個性豊かな仲間と泣き笑いし、時にはライバルとして高め合いました。

進学した美大の卒業制作で、漫画の短編集が優秀賞を受賞。漫画家は夢でしたが、趣味で楽しむものと割り切って就職しました。ところが新型コロナウイルスの影響で勤務先が長期休業。その期間を使って、オリジナル作品をSNSにアップしたところ、予想以上の反響が編集者の目に留まり、漫画家への道が開かれました。

実は、夢をあきらめていた一方で、漫画家を目指していたら…と考える自分もいました。しかし好きな漫画を描き続けてきたことや、就職したこと、コロナ禍での経験など、すべてが今につながり、夢がかなったのだと思っています。

高校生になるみなさんには、ぜひ自分の「好き」を見つけてもらいたいです。夢中になれることなら何でも良いのです。そのための環境が美工系統にはあります。そして、すぐに結果が出なくても大切に温め続けてください。